Harlequins
~私達の世界と存在表明~
人格交代についてー恵名による記事
人格、というものについては前頁で何となく説明させていただきました。
ところで、今ここをお読み下さっている皆さまも1個体の肉体の中におられる1人格でいらっしゃると思います。
皆様がたが今現在その肉体と意識を一致させて肉体を操り生活しておられる(我々はこれを「表に出る」「肉体の意識を持つ」「浮上する」などと呼んでいます)のと同じように、我々も肉体の意識を持つことが可能であり、また、誰かが出ていなければ当然のことながら器の肉体は動かせません。
しかしながら、我々は皆様のように1人ではないため、しばしばその肉体の操縦役が変わることがあります。
そのことを、「人格交代」と呼ばれます。
我々が「肉体の意識を持つ」時の感覚は人によって様々なのですが、まず多くの人の共通点は、内部の「意識部屋」と呼ばれるある地点(この場所の呼び名が人によって全くバラバラだったりするのですが…)に入ることで表の意識を持ちます。
ただそれも例外は多くあり、その場所以外にも特別な表に出るルートがあったり(そのルートを使えば既に表に誰かが出ていたとしても、その人に気付かれずに割り込み意識を奪うことができ、一部の危険者や権力者などはこうした独自ルートから意識を持つことがあります)、いつものルートを通っても意識部屋には行き着けなかったり、その部屋から離れたところで何もしない時でもいつの間にか表に押し出されていたり、様々なことがあります。
それに、我々は常に好きな時に好きなように内部を移動したり表に出られるわけではありません。交代は便利なものでも楽しいものでもきっちりした体系だったシステムがあるわけでもないのです。だからこそ非常に説明もしにくいものですし外部からも不思議な現象と映るのでしょう。実際に、肉体1:人格1の人でも、自分の内部(精神世界・無意識の世界)に出入りすること自体はあるのですけれどね…。
我々はこのようにして表に出る(交代をする)のですが、医学的には、どうやら活動する脳の部位が変わる…という研究結果があるようです。人間は普段、いや人生全てのうちでも、脳の使われる部位はほんのわずかだそうです。それが人格の存在や交代によって、普段使われない別の部位が働き出す…とかいう。
まあ私は良く知りませんので深くは挙げません。ただどちらにせよ「人格」が交代するのですから、それなりに脳や体に負担がかからないわけはないわけです。
そこで、人格交代の際には(その交代前の人格や交代後の人格が)、酷い頭痛がしたり(様々な頭痛がありますし、また人格の存在自体や内部で特定の人格が動くことによって頭痛が発生することもあります)吐き気がしたり眩暈がしたり、発熱したり、立っていられなくなって途端に倒れたり、記憶が飛んだり…様々な症状が現れることがあります。その症状は程度も種類も様々ですし、人にもよります。ある種全く関係のない話ではありますが、ある特定の人物が表に出ると超高確率で地震が起こる…という者もいました。身体症状ではないわけですけれども。
交代時の変化について。
前頁にて、人格というのはそれぞれ独自の名前、姿、声、言語、年齢、性別、記憶、性格、癖、習慣などを持っており、それぞれが別人のように違うのだということは説明いたしました。
そういう人たちが肉体の意識を持つと、その雰囲気なども若干その個人に近く変化することがあります。
変化が見られやすいのはやはりまず行動や姿勢・言動(これらは個人の癖や習慣的行動が違いますから)辺りなのでしょうか。
また、体全体から感じ取れる雰囲気。
表情・姿勢・体のバランス。人間というのはみんな一人一人骨格が微妙に違いますし、筋肉の付き方や使い方も微妙に違いますから、それによります。この器の骨格や筋肉の付き方は流石に変化できないでしょうが、それらの使い方や無意識の姿勢などは影響するようです。もともと筋力が強い人格が長く表に出ていた時などは、多分無意識に立っているくらいでもしっかり筋肉を使っているのでしょう、その後交代した人格が器の筋肉痛に苦しんだというようなこともあります。
声。これは、自然に声帯や腹筋や声の通り道のどこかの筋肉の使い方や声の出し方が微妙に変わってくるのでしょうか。基本的に男性なら太く低くなりますし、子供なら高く細くなりますが、もともとの声質(男性で低くはあっても薄く軽い声や、子供であっても力の入っていない通る声など)によって必ずしもそうとは限りません。
また、元々この器は音楽の環境がありますので、声楽に携わる人格もいますが、そういう人格の場合は、音程を出す「感覚」も影響するようです。例えば男性が内部で特定の音程を歌ったとします。その感覚を覚えていて、この器の声帯を使って全く内部と同じ感覚で発声したとしたら。使っている声帯が違いますから、当然内部の時と同じ音程にはならない。…場合があるそうです。ある男性などは、代行していてこのことでかなり苦労をした時期があるそうです。
力。これは上記した筋力の話が関係してきますが、元々力の強い人格は表に出てもかなりの力を発揮する場合が多いです。
学問的には、人格交代をした時は普段と違う脳の部位が活動することがあるため、潜在能力を最大限まで引き出してしまうことがあるのだとか…。普通人間の筋肉は、力を出しすぎて故障してしまったりオーバーヒートするのを防ぐために、どんなに意識的に力を込めてもその筋肉の最大限の力は出せないのだそうです。ただ、人格交代などでそのストッパーがはずれてしまうことがあり、そのような場合には恐ろしい強力を発揮してしまうことがあるそうです。
確かに力の強い男性や保護者と呼ばれる人達などは、小柄な女性の器で非常に驚かれるような力を出すこともあるようです。
能力。これは学問や行動の得手不得手や、知識・技術的なものです。器の脳は一緒ですから大変不思議なことかもしれません。人格によって理系と文系にわかれたり、右利きや左利きがいたり、特定の楽器を演奏できる人がいるのに別の人は全く向いていなかったり…。知識も、他の人間と同じように個々幅や差がありますし、物知りな人格はなかなか深く追究する学問があったりするのに、子供はそれ相応の知識しかなかったり…。話している時の語彙の幅も人それぞれです。
体質。アレルギー反応や新陳代謝なども人により変わります。さっき出ていた人格は全く大丈夫だったものが、次出てきた人格はアレルギーを起こしたり…。
ホルモンバランスなども変化を起こすことがあるようです。男性たちが長い期間器の意識を支配していたりすると、髪が少し太く硬くなったり、体つきがほんの少し変化してきたり、髭が生えてきたり、生理が止まったり(大幅に遅れるという意味で)することもあります。
障碍。前頁に説明した通り、人格の中には心身に障碍を持つ人格もいます。そのような人格が表に出てきた時は、器にもその個人と同じような状態が生じます。
目が見えない人や四肢が不自由な人格が表に出てきても、目や四肢が使えるようになるわけではありません。
器自体にも先天性障碍の名残がありますが、それも人格によってある程度克服されたり、逆に大きく影響を受けてしまう場合もあるようです。
などなど、まだたくさんあるかと思いますが、人格交代は多くの肉体変化を伴うこともあります。