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解離性同一性障害
解離性同一性障害とは、わかりやすく言ってしまえば「多重人格」ということになろうか。「Dissociative Identity Disorder」といい、その頭文字をとった「DID」という略語を使われることもあります。意味通り、自我(Identity)が解離(Dissociate)する状態なわけです。
昔は「多重人格性障害(MPD)」という病名、もっと昔は、一番目立つ症状であるその記憶障害により、若年性痴呆と呼ばれた時期もあったようです。現代では全く別の病態として、「若年性痴呆」の病名は存在しますけれどね。

簡単に説明しておきます。

解離性同一性障害は、主に幼児期の重大な(その幼児本人にとってあまりに過酷で耐え切ることが不可能なほどの)心的外傷体験からおこるといわれています。
また最近は、先天性疾病・障害や発達障害から二次的に発症しやすいのではともいわれているそうです。

幼児期の過大な心的外傷体験から身を守るため「自我を解離」し、「これは自分が受けている事実ではなく、誰か別の人が受けているのだ」「自分は痛くない、苦しくない」などと無意識に思い込んでしまうことにより、意識が解離して、後々その心的外傷を受けた時や時期のことを全く思い出せなくなったり、記憶も性格も自分とは異なる「別人格」があらわれたりするもので、解離性同一性障害は、他の解離性障害や精神症、神経症が併発した状態のようにも見えます。
また、他の症状が一過性の解離性障害と違い、慢性的に解離が続いている障害です。
そして、解離性同一性障害の症状は人によって様々なケースがある上に本人が自覚していない症状や言語化できない場合も多いなどがあるため(また私達のようにそもそも意識上で生活している者が、自我が何事かを言語化できるような年齢になった時既に内部同士の存在を知っていたり内部で生まれたり、外部に波風立たないように演技して生きること、他の身体症状神経症状の存在などがもはや当然となってしまっていたりしたら、本人から訴えることができません。)、発見が遅れたり、本人が自分の存在や記憶の欠落を巧みに隠して(演じるという義務を果たして)他の症状が突出して見えるがために他の診断名がついていたり、はたまた解離という現象自体が自然なことの延長である上に解離性同一性障害に関する医師の認知度自体が低いなどなどの条件が重なり、実際診断を受けるまでに何年もかかったり何件もの病院を何年にも亘ってたらいまわしになっていたりするケースも大変多いようです。
 
更には内在性解離といわれ、普段表に明らかに現れなかったり記憶自体は共有していたりしながらも、実は内部世界では解離しており別人格までも存在し、脳内会議といわれるような会議を都度していたりする、そして何かのはずみに解離した部分(感情や記憶など)だけが突然噴出したりするようなケースもあるようです。
解離性同一性障害(完全な別人格としての解離)と内在性解離の混合型も存在します。というより・・・DIDには少なからず内在性の状態も混在するのではないかと思いますが。

解離性同一性障害の定義としては

・2つまたはそれ以上の、はっきりと他と区別される同一性または人格状態の存在(その各々は、環境および自己について知覚し、かかわり、思考する比較的持続する独自の様式をもっている)。 
・これらの同一性または人格状態の少なくとも2つが反復的に患者の行動を統制する。 
・重要な個人的情報の想起が不可能であり、ふつうの物忘れで説明できないほど強い。
・この障害は、物質(例:アルコール中毒時のブラックアウトまたは混乱した行動)または他の一般身体疾患(例:複雑部分発作)の直接的な生理学的作用によるものではない
注:子供の場合、その症状が、想像上の遊び仲間または他の空想的遊びに由来するものではない 

というもの。

 

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