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Harlequins
~私達の世界と存在表明~
解離性健忘
記憶喪失というような言葉にするとイメージがつきやすいのでしょうか。
自分がある事を行った形跡があるのに、自分はそれを行った記憶が全くない、というものです。
重要な個人情報や、心的外傷に関連する出来事や心的外傷を受けた当時の出来事などの、ある期間の記憶を思い出すことが不可能になり、人間が誰でも経験するような普通の物忘れでは説明がつかないような状態。
そしてそれが、薬物乱用や神経疾患や身体疾患によって起こったものではない場合(なので、頭を打ったりして起こった記憶喪失は器質性のものですので、解離性健忘とは別のものです)。
これは解離性同一性障害にも似たような状態がおこります。
解離性同一性障害の場合、「健忘」している間に「実は別の人格が行動している」という場合がほとんどです。
例えば、Aという人がいて、朝7時に起きてからふと気がつくともう夕方の5時だった。しかし朝7時から夕方5時までの間、何やらいろいろ行動をしていた形跡はあるのに(例えば朝起きた時と違う服を着ていた、覚えのない買い物がしてあったなど)、自分はその朝7時から夕方5時の間何をしていたか全く記憶がなく、思い出すことができない。起きたときと違う服を着ていても服を着替えた記憶などないし、買い物が部屋の中に転がっていても、自分はその買い物をした記憶などさっぱりない。
このような場合で、Aさんが解離性同一性障害であった場合は、Aさんの別人格(仮にBさんとします)がその時間行動していたということになるでしょうか。
しかしAさん本人にはその記憶が全くないのに、「自分が行った形跡」があるのだから、恐ろしい体験です。自分で知らない内に自分の体が、自分が意識も予想もしていない行動を勝手に起こすのだから。
そして解離性健忘の場合であっても解離性同一性障害の場合であっても、記憶がない側の体験としてはかなり似通ったものです。
※ただしその間を交代人格が行動していたケースであった場合は、自分自身が絶対にやるはずのないことをやった形跡がある場合もあ
るわけです。
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